みなさま、こんにちは。MHスクール校長の林みきです。先月まで開催されていた「ローレンス・アルマ・タデマ古代の家」の展覧会を見にレイトンハウス博物館に行ってまいりました。レイトンハウス博物館は、ロンドン、 ケンジントン・ハイ・ストリートから10分ほど歩いた閑静な住宅街にあります。今日はロンドンの隠れた名所のひとつとも言える、レイトンハウス博物館をご紹介いたします。

●High Streetの写真
    
       
●レイトンハウス博物館の外観の写真
 

レイトンハウス博物館は、ヴィクトリア朝時代に英国を代表する画家・彫刻家のフレデリック・レイトン (Frederic Leighton 1830-1896)の私邸だった建物です。建物の外観は、赤レンガを使用して古典的に建設されています。内部は、豪華そのもので、各部屋は彼の美意識が具現化されており、建物全体が見事な美術作品になっています。フレデリック・レイトンは、生涯独身で過ごしたため、彼の死後、邸宅内の美術品や家財などは売却され、小さくて簡素で寝室が一つしかない彼の邸宅を買いたいという希望者は現れませんでたので、邸宅は博物館として管理され、一般公開されることになりました。

●レイトンハウス博物館の入口にある掲示板の写真

●内部撮影は禁止のため以下は絵葉書での紹介です。   
(写真上)フレデリック・レイトン(1830-1896)、1895年 シルクルームで撮影写真
(写真下)フレデリック・レイトンの肖像画、1871年 ワッツ作

フレデリック・レイトンは、英国美術界で唯一貴族の称号「Lord ロード」を与えられました。彼の正式名はフレデリック・レイトン男爵です。また、彼はプレジデント・オブ・ロイヤル・アカデミー・オブ・アートでもありました。
裕福な家に生まれたレイトンは、成長していく上で恵まれた教育環境を与えられたことは言うまでもありませんでした。彼はとても頭脳明晰であり、また語学堪能であったとも言われています。そのかたわら、早くから美術の才能を開花し、滞在先の美術学校で絵画を学んでいます。1855年、レイトンの最初の傑作である「フィレンツェの街を行列で運ばれるチマブーエ聖母像」をロイヤル・アカデミーに出品。ヴィクトリア女王がこの作品を購入することになり、レイトンの名前はたちまち英国美術界に知れ渡ることになりました。1868年、ロイヤル・アカデミー会員、1878年に、ロイヤル・アカデミー会長に就任、以後20年近く会長として君臨し、英国美術界における彼の地位は絶対的なものでした。
    
●邸宅のなかの部屋、シルクルームの写真             
壁には緑の絹の壁紙が使われています。レイトンの同時代の絵画コレクションを収蔵するギャラリーとして設計されたと言われています。

●アルマ・タダマ 古代の家 展覧会の案内書の写真

●上の写真:ザ・アラブ・ホール、下の写真:モーゼスの発見 ローレンス・アルマ・タデマ 1904年

(写真上)邸宅のなかの部屋、ザ・アラブ・ホール 
アラブホールに足を踏み入れた瞬間、アラブの宮殿にワープしたような錯覚に陥りました。見事だったのは、アラブホールの壁に使用されているタイルの素晴らしいコレクションです。中東の独特の文様(パターン)が、アラブホールに独特の雰囲気を醸し出しています。また部屋の中央にしつらえられた噴水の存在も、驚きでいっぱい、そして印象に深く残るものでした。中東の文化に惹かれたレイトンがこのホールにその情熱を注いだことがヒシヒシと伝わってきました。
        
(写真下)モーゼスの発見 ローレンス・アルマ・タデマ 1904年の絵画の写真

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住宅街にある赤レンガのレイトンハウスの外観はあまり目立たなくうっかりすると通り過ごしてしまうくらいひっそりとした建物なのですが、いったん中に入るとロンドンの博物館なのかと錯覚をおこしてしまうほど、とてもリッチな東洋文化と西洋文化のアートコレクションと美しさに感動される1日でした。またプライベートコレクションの一つとして、「日本の牡丹の花」の絵画も印象的でした。ヴィクトリア朝の美術とラファエル前派に興味がある方には、お勧めの博物館です。

※ご参考
Leighton House Museum HP (English)